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劇場版テニスの王子様 英国式庭球城決戦! 感想
今回の映画は、リョーマがかめはめ波を経て元気玉を取得する話です(真顔)
今まではテニスボールがまるでかめはめ波のようになったり、何か光線みたいの撃ってたけど、あくまで比ゆとしてそういう表現が使われていた。
今回はマジです、マジ。本気で光線撃ちます。台詞に「気を撃つ」というのがあるくらい本気です。
ゲストキャラを何人も出したのは失敗だったね。キース役の人演技超下手で棒読みだしね。
ゲストキャラの背景など興味ない、こっちはテニプリキャラを見に来てるんだよ、イナイレに出てきそうなキャラとか別に要らないんだよ、お前ら勝手にやってろよ、と思う人は多かったんじゃなかろうか。なぜなら私がそう思った。
今回の映画の要となるストーリーは、ゲストキャラのシウとキースが喧嘩して、寄りを戻す話です。リアルゲイな2人が寄りを戻す話です。
「こんなに熱くて切ないテニプリ見た事ない!」ってアオリにあったけど、熱いのはともかく切なさは一切感じなかった。
あ、あと、今回はテニス映画じゃないです。戦闘アニメだよ。物語の後半、普通にテニスを試合をしているシーンがおかしいと感じるくらい戦闘アニメだよ。

まず、開始数秒でツッコミ所が沢山あって苦しかった。シウがチームを抜けようとしてそれで仲間に追われてるシーンなんだけど、皆ラケットを持って追いかけっこしている。
シウを攻撃する方法もラケットで打ったボール。
普通にバットとか持って攻撃した方が攻撃力高くないですかね。
皆お揃いの指輪をしている事が強調されて、それで同じチームって事をアピールしてるんだけど、攻撃方法がラケットとボールに限定されてる事にまずツッコミたかった。
もう本当、これスポーツの道具じゃないよね。テニプリ界においてはただの武器だよね。
シウは川に飛び込んで逃げてこのシーンは終わり。

ロンドンのウィンブルドンで開かれる交流テニス試合に、日本から続々と集まるテニプリっ子。
日本代表が4校もある事に驚きを隠せない。日本ってテニス先進国なの?そんなに強くないよね現実だと。
青学、氷帝、立海、四天の4校レギュラー全員が来ている。氷帝には滝もいた。
各国から集まってくるという割にはモブキャラばかりでほとんど目立つ顔がいなくて、今回のメインはこのテニス大会ではない事を、ここでようやく知った。
最初、予告編見た時はイギリスのウィンブルドンであるテニス大会で勝ち進んでいく話だと思ってたからね。蓋を開けてみたら全然違うからね。

合宿所に着いたらそれぞれ練習を始める選手たち。各校入り混じっての合同練習。
ぶっちゃけ、普通にテニスをしているのはこのシーンだけだ。エンディングであと少しあるがな。
あと、最終決戦にいない人達のテニスシーンが見られるのはここだけだ。
なので、好きキャラがいる人はガン見しておくといいよ!
私の好きな英二と精市は後半空気ていうかむしろ出番ない、精市だけはちょっとだけ出てくる、あとエンディングにも出るよって感じだったから。
精市は最初は何故かコーチ陣と一緒にいて、お前コーチかよ!ってツッコミ入れた。
でも、何かスミレちゃんとかと話してて、「先生方がそういうなら俺も行こうかな」って事を言って、コートに入る。
精市が脱いだ(肩から外した)ジャージをスミレちゃんが受け取るんだけど、その役私に変わってって思った。
精市のジャージぃ!結局ここで精市の練習シーンは出てこないんだけど。

夜。自主練をする一部の生徒達。菊丸英二は自主練をする設定のキャラだと今回のペアプリで分かったのでドキドキしながら待ってたんだけど、英二いなかった。英二はいなかった。大事な事なので二度書きました。
ペアプリ設定は映画製作時には浸透していなかったようだ。

素振りをする手塚。自転車みたいなマシンで隣同士で練習している宍戸とチョタ、モブキャラの外国選手。壁打ちをする赤也。夜のコートで打ち合いをする桃とリョーマ。ただの移動中(笑)の白石。
そんな彼らに忍びよる影。
パンフに名前載ってないから名前出てこないけど、シウを襲ったのと同じ仲間たち。

テニスボールで攻撃をしかけてくる奴らのボールを返球するテニスっ子達。
だからさー。これ、選手を潰す事が目的なら、別にテニスボールをラケットで打って攻撃しなくたって、普通に殴る蹴るの暴行を加えればいいじゃない。
まぁラケットとボールを使っているから練習の一環だって言い逃れ出来るって事かな。
普通の黄色いテニスボールで攻撃してたんだけど、途中から何か大きめの堅そうなボールに変えて、それは返球出来なくてガットも破れちゃって、結局負けてしまう。モブキャラはさっさと負けてるよ。
チョタが攻撃されそうになって、チョタを庇って怪我する宍戸。
ガットが破れちゃったせいで、ボールに当たってしまう赤也。
手塚はさすがにボールさばいてて、そこに白石が合流。
リョーマと桃もいい線いってたんだけど、リョーマのガットが破れてしまって、桃がリョーマを庇って負傷。
リョーマにも攻撃が届く途中でシウが助っ人に入る。

リョーマを攻撃してたのはキースで、キースとシウには因縁があるので何か色々ごちゃごちゃ言って、お互いに攻撃を放って、真ん中でボールがぶつかる(笑)
でも、打つ時はあくまで光線です。
仲間たちがいっぱいやってきたので、キースは「命拾いしたな、おちびちゃん」とか捨て台詞を残して去る。
キースはさっきも書いたけどものすごく棒読みです。

怪我人が出た事で、大会本部にも届けたり、警察にも届けようとする一同。
怪我した人達は部長と副部長が見舞いに行くんだけど、皆普通に見舞いをする中、赤也だけは真田に土下座して謝っていて、ああ、こんな所でも立海の掟って有効なんだなって思った。
皆が集まって、どうしようね、敵うちするかーとか言ってた時にシウ登場。海堂がすごい熱くなってたんだけど、シウの止めておけという言葉に激怒。
俺を倒せなきゃあいつらも倒せないぜ、というから、喧嘩でもするんだと思ったら・・・

バトル形式はあくまでテニスの試合です(キリッ)

海堂とシウのテニスの試合が始まるんだけど、何かおかしい。海堂のリターンがボールに届く前に何か壁のようなものに当たって一瞬ラケットが止まる。
何かバリアでも張ってるんかい、まさかなー、打球がすごくてバリアのようなものが張られてる状態になるとかそういう落ちだろ?と思ったら、乾と柳が言い放った。

「気、だな」

はい????今、何て言いました?

乾に寄ると、ボールだか自分だか忘れたけどまぁそんな所から放出されるエネルギーを気として練り上げて、その気をボールを打つ前に先にラケットで打ち、その後ボールを打つ事により、相手側のコートでは気が先に届き、結果としてボールをリターンする前に気を打つ事になるからラケットが止まる、と。
何かごちゃごちゃしてよく分からない説明になってるけど、要するに、かめはめ波に乗せてボールを打ってるんだと思ってちょうだい。
かめはめ波の撃てない海堂は当然のようにシウに負ける。大丈夫、悔しがらなくていいよ、海堂。かめはめ波なんてそんなにすぐに撃てるようにならないんだから。
しかし、その後コートに入ったリョーマ君はかめはめ波を流してボールだけを打つ、という攻略法を見つけるのでした。
かめはめ波みたいに可視光線じゃないのにね。まぁ後半は可視光線になったけどね。

見舞いに行ってた部長副部長も合流して、リョーマとシウの試合を見ている。
試合の途中、リョーマのサーブを打つ姿にシウはキースの姿を重ねる。
試合後、どうしても俺1人で奴らを潰す、というシウに、精市が何か引きとめて聞くんだけど、私的にどうでもよかったのでよく覚えてない。
精市の見せ場はもうここで終了なんだぜ。

奴らが根城にしているのはキングオブキングダム、という場所。名前を聞いて、あれ?と思ったら、当たってた。
王宮の中の王とかいうセンスを持つ人はテニプリ界には1人しかいない。
シウは1人でそこに向かい、テニスっこ達には朝になっても俺が戻らなければ警察に通報しろ、と言う。
だけど、行く途中ボートに乗る時にリョーマがひょいっと乗ってくる。
主人公は最終決戦の場に行かなければならないのです。

リョーマがいない事に気付く一同。
乾「越前がキングオブキングダムに行った確率88%」←数字うろ覚え
柳「越前がキングオブキングダムに行った確率88.54%」←数字うろ覚え
乾「海外だと小数点は切り捨てる主義でね」
このやり取りが楽しかった。乾柳〜!
皆の事はいさめておきながら、1人リョーマに続いてキングオブキングダムに向かう手塚。
そこに現れる跡部。
「部員達にはあんな事言っておきながらお前1人で行こうとするとはとんだ部長様だな」
何だかんだ言って、跡部も向かうつもりです。
白石が来て、不二も来て、赤也が来て、赤也を追うように真田が来る。
真田は赤也に帰ったら素振り8000回って言う。「俺は1万回やる」要するに真田も行くらしい。
跡部がキングオブキングダムに行こうとしてた水上バイクは2人乗りなので全員は連れて行けない。
つまり、手塚と一緒にランデブーするつもりだったんですね(微笑)
水上バイクの整備は樺地にやらせてたのに。
跡部だったら指パッチン1つで船くらい出せるだろうと思ってたら。

「船が必要なんですか?」

そんな台詞と共に比嘉一同がやってきた。
比嘉っこ達が何故こんな所にいるのかの理由はぜひ自分の目で確かめて欲しい。
超ありえない設定だから。一言でいうと、ケンカの王子様。略してケン王と同じ設定です(うたプリネタ)
ボートのバイトをして沖縄に帰るお金を稼いでるらしい。色々ぼったくり値段を言うんだけど、跡部が秘蔵のクレジットカード出したら、ひれ伏す比嘉っ子。
「ユーアーマイハイネス」とかまで言ってしまう。金の力は偉大だ。
当初の予定通り跡部と手塚が2ケツ、他メンバーは比嘉の船で行く。
「俺様のかじ取りに酔いな」「それやと船酔いしてまうわ」は名台詞だと思う。
場所を跡部が知ってるんだけど、旧跡部家別荘らしい。ネーミングは跡部景吾ですね。間違いないですね。
手塚が「くっ名前を聞いた時点で予想はついたはずなのに・・・油断した」とか言ってるのが大層笑える1コマでした。

シウとリョーマはその間にもう旧跡部邸(パンフに書いてあった)に着いてた。
着いた直後に白馬が1頭だけいて、それをリョーマが眺めるシーンがあるんだけど、これはあるシーンの伏線になっている。
跳ね橋が降りてくるシーンでリョーマが「悪趣味な城」って呟いて、跡部のシーンに変わる所が面白かった。
跡部がくしゃみしそうになって「今頃俺様がくしゅんなんてかわいいくしゃみをしているとでも思ったか?」とか言っちゃうのが可愛かった。
こういう小ネタは面白いです。ファンサービスですね。

まぁそうして、あちこちでラストバトルが開催されるわけだ。
本当色々な場所でバトルをするんだけど、どんなに変則的になって、どんなに相手を怪我させても、最終的にテニスの試合のルールに則って戦っているのがおかしい。激しくおかしい。
「ほら、0-5だぜ、もう後がないぜ」とか言ってるのが激しくおかしい。
そういう問題じゃない。

詳しいバトルの内容はツッコミ所が多すぎるのと、これは実際の目で見るのが楽しいと思うので、飛ばしつつ組み合わせだけ。

跳ね橋での試合。
木手が最初に戦っていて、敵が1人増えた時に不二周助が白馬に乗ってさっそうと登場。
馬から華麗に飛びおりつつボールをリターン。
変則ダブルスで戦う。

地下巨大ワインセラーでの試合。
真田と赤也が戦う。

リアルテニスコート
コートの周りを壁で囲まれていてアウトのないコート。跡部が戦う。

ホログラムコート
手塚と白石のダブルスで戦う。

最終的には全員勝ちます。大体どのグループも0-5辺りまで追い込まれるけど、最終的に勝ちます。
何かこれテニスの試合じゃないんじゃね?ってグループもあるけど、最終的に勝ちます。
真田ってボールのきめ細かいコントロール出来ない選手だったっけ?とこれを見て思った。

ラストバトルはシウとイナイレに出てきそうな入野自由が声をあててるキャラがまず戦う。
ラストバトルはもうかめはめ波合戦。かめはめ波が撃てない人は戦っちゃダメな乗り。
シウの撃つのは双子だけど、イナイレもどきが撃つのは三つ子なんだって。
最終的にシウが五つ子撃ったらキース参戦。
でも、シウはかめはめ波を撃ち過ぎてもう体ぼろぼろで普通の打球しか撃てない。
テニスの試合としては至極まっとうだけど、ここではかめはめ波を撃てなきゃダメなので、結局リョーマ参戦。
リョーマも何かかめはめ波を撃てるようになっていた。

かめはめ波をリョーマが撃った後、シウがそれを進化させた万有引力とやらを発動。
まぁえーと、元気玉?元気玉を天井にぶつけて、相手を元気玉で包んで爆発させた後、おもむろにテニスボールが相手のコートに決まる。

はっきり言ってテニス関係ねぇ。

むしろここで、コートとかボールとか

ラケットとか出てくる事が不思議だ。


天井に元気玉ぶつけて、相手をフェンスにぶつけて怪我させて、床とかえぐれてて、天井とかヒビが入っているのに、あくまでこれはテニスの試合なんですよ(キリッ)
最終的にはリョーマも万有引力を身につけて、撃ちまくる。
2人で天井に元気玉をぶつけていれば、そりゃ崩れるよな、シャンデリアも落ちてくるよ。
そのシャンデリアにボールをぶつけて落ちてくる軌道を変えた人達がいて、それが追いついたテニスっこ達。

この辺りで、ようやく敵さんの背景が描かれる。
転勤でロンドンにやってきたシウはキースと友達になって、一緒にテニスをする。
テニスの試合をして、勝てそうだって時に相手チームがラフプレイを連発。
シウにボールをぶつけまくって、怪我させて試合を出来ないようにする。
怒ったキースはかめはめ波を撃って、試合相手に攻撃。
キースはそれで失格になって、テニス界から追放されるんだけど、一言だけ言わせて?

テニスの大会でかめはめ波使って勝ったら、そりゃ反則技だろう!!

相手選手も確かにわざと足とか体とか狙ってボールを打ってたけど、彼らはあくまでラケットとボールで普通のテニスをしていたからね。
気なんて訳の分からないものを練り上げて相手にぶつけるのは、それ普通に喧嘩だからね!
そりゃ向こうの判断が正しいよ。それにテニスクラブだって気なんて訳の分からないものを扱う選手を所属させたくないよ。
キース達の勘違いの源はここにあると思う。別にお前らが暴力テニスをするのが問題なんじゃない。
かめはめ波を撃つのが問題なんだと。

もうこの辺ストーリーとかないよね、破綻してるよね、と思ってた。
最終的にはリョーマが星々の力を集めて最大級の万有引力という名の元気玉を放ち、攻撃されたキースをシウとイナイレもどきが庇い、キースとシウがよりを戻して笑いあって終わった。
何だこの終わり方。
あ、そうそう、リョーマが元気玉を放つ直前、キースの方はもう元気玉を撃ってなくて、普通の試合形式になってたよ。
もう本当最後の方意味分からない。

朝になったので、ヘリに乗って、桃とか精市とかがキングオブキングダムに来る。
天井崩れてるからね。普通に見えるからね。
ていうか、跡部家はこの別荘を手放したの?俺様の別荘を好き勝手に改造しやがって、みたいな事を跡部が言ってたから、まだ所有権は跡部家にあるの?

エンディングはウィンブルドンの試合シーンが描かれるんだけど、普通のテニスをしているシーンを珍しく感じるくらいだったよ。
しかも、何かキース達のメンバーを公式試合に出られるよう嘆願書を提出したらしいよ。テニスっ子達。外国の選手達も。
怪我させられた相手に対して随分寛大な措置ですね。
別に同情出来る理由なんて一切なかったと思うけど?
怪我や骨折でテニス生命断たれた選手もいたんだよね?そんな奴らを許す理由なんてないと思うけどなー。

エンディングテーマが流れた後の一コマが、川辺でテニスボールを弄ぶシウ、そんなシウの肩を抱いて歩き出すキース、の2人のシーンだったので、ああ、今回の劇場版はこのリアルゲイな2人がよりを戻す話だったんだって思った。


今回の映画は、手塚ゾーンで隕石落として恐竜が滅びるとかいう大爆笑出来る演出はないけれど、全編なんかおかしいです。
核となるストーリーが適当というかつまらない。
前回の劇場版は手塚ゾーンが・・・(以下略)だけど、核となるストーリーはでっかい夢を見つけろよっていう青春物で結構楽しめたんだよね。
まぁ船沈んだりするけど、手塚ゾーンが(以下略)だけど。

今回は設定もストーリーも奇をてらいすぎてて、それだけになっている。何度も見て楽しめるものじゃない。
あと、登場人物にも偏りあるし。
私は声を大にして言いたい。青学も氷帝も四天も、部長がラストバトルに参戦している。

何で立海は精市が部長なのに

ラストバトルに精市が出ないの。


精市は立海の部長なのに、何で戦わないの?精市の戦い方には華がないですか。五感奪ったらそれで終わっちゃうから駄目なんですか。
むしろ精市がラスボスだから駄目なんですか。
そうだよね。どんだけ元気玉やかめはめ波撃てても、五感奪ったらそれでおしまいだものな。

今回の映画は万人にお勧め出来るものじゃない。
テニプリというか、アニメのテニプリのありえなさに耐性ないと辛いと思う。
あと、同じレベルでテニプリを好きな友達同士で見るといいと思う。
見終わった後、すごいツッコミ入れたくなるし、語りたくなるから。
ただ、そこに温度差があると多分微妙な空気になると思うので、同じレベルでテニプリを語れる友人同士で見るといいと思います。

(2011.9.3)

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